肘内障について
2024年01月17日
みなさんは肘内障をご存知でしょうか?
小児において、骨折や脱臼を含む外傷は肘関節周辺にも頻繁に発生します。
その中でも今回取り上げる肘内障は、幼児を中心に発症する確率が最も高い外傷の一つといわれています。
2~4歳のお子さんに多く、腕を強く引っ張られたり、腕を下にして転んだりなどする事で発症するものになります。
以下の内容を読んでいただき、いざという時に対応できるようにしておきましょう!
そもそも肘内障とは?
肘内障(ちゅうないしょう)は、肘の輪状靭帯と橈骨頭がずれてしまう、いわゆる亜脱臼を起こしている状態になります。
お子さんと手をつないで歩いているとき、子どもが転びそうになりとっさに手を引っ張って発症したり、腕を下にして転倒することなどにより発症すると言われております。
2~4歳の幼少児に多いとされ、女の子にやや多い傾向があります。
子供に多い理由として、小さい子供の体は発達途中のため、肘の輪状靭帯と橈骨頭はしっかり固定されていません。そのため転ぶ、腕を強い力で引っ張られる、腕を掴んで何度も持ち上げるなど、ふとしたきっかけで亜脱臼を起こすことがあります。
これは、成長に伴い骨格が完成すると安定してくるため発症しなくなります。
どんな症状が起こるの??
受傷後は突発的な激しい痛みが生じ、その痛みを避けるために肘を少し曲げて手のひらを下にし、患部側の手首を健側の手で押さえて動かさなくなり、肩が抜けたかのように見えたり、手首を痛めているように見えたりします。
他にも…
- 動かすと肘の外側に痛みを訴える
- ある程度肘を曲げられるが深いところまで曲げられない
- 手を返すのが辛い
- 痛みにより上半身が動かせない
※この症状では、腫脹・熱感は認められません!
などの症状が見られます。
どうやって治すの?
基本は徒手整復術で治療します。治療後しばらくの間は再発しやすいため、注意が必要です。
整復が成功すれば、程なく痛みが消失して腕を動かし、高く挙げられるようになります。整復後は簡単な固定をすることもありますが、全くしないこともあります。
注意点⚠️
再度、強く腕を引っ張ってしまったりすると再負傷することもあるため、しばらくはお子さんの腕を強く引っ張らないことが重要となります。
また、肘の外側に腫れがみられる場合は、骨端線離開や軟骨損傷などの外傷と鑑別が必要になります。そして、局部に変化がなく脇を支え持ち上げようとして痛がった際には、鎖骨骨折の疑いも考えられるので、これらの反応があった場合は注意しましょう。
最後に
お子さんのいるご家庭では、道などで危ない状況があった際、強く引っ張ってしまうなどやむ
を得ない状況もあると思います。
その為、肘内障は決して無縁なものではないので注意しましょう!
実際起こってしまった場合、骨や軟部組織に大きな問題がない限りすぐに元に戻す事ができますのでご安心ください。
お困りの際はいつでもご相談お待ちしております